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理事長挨拶

 

 

 

社会福祉法人ながたひろばの理事長 美藤早苗にインタビューしました

 

理事長と社会福祉法人ながたひろばとの関わりを教えてください。

 

社会福祉法人ながたひろばの第一歩である「長田むつみ会」の立ち上げに関わっています。

神戸市の職員として、長田区で精神保健福祉相談員をしていた時に、地域で精神障害のある方を支えるための社会資源をつくろうと、場所を探して作業所を始めました。

 

 

ながたひろばの歴史を教えてください。

 

長田むつみ会を立ち上げた当時は精神障害のある方が利用できる社会資源は、区のグループ活動しかなく、居場所がない方が多くおられました。そこで皆さんの居場所をつくる目的で、1988年に廃院した濱田医院の一室を借りて、運営委員会方式で小規模作業所長田むつみ会を始めました。はじめは作業もしていなかったのですが、やることがほしいという声から、作業を取り入れました。

場所が病室の一室で手狭だったこともあり、2年目には大谷町に移転しました。その場所も坂の上にあり、利便性がよくなかったため、よりよい場所を探して1991年に御屋敷通に引っ越すことになりました。

2カ所目の事業所である「ハートワーキングクラブ」を立ち上げたのは、長田むつみ会を利用されている方から「人に役立つことがしたい。内職では実感がわかない」という声が出たことがきっかけです。1994年の12月に開所しました。近所に高齢者が多い地域だったこともあり、利用者自身が弁当を作って配達をすることで地域の役にもたつし、地域で暮らしていくため地域でのつながりを作っていこうということになり、弁当と喫茶店業務を仕事とする作業所にすることにしました。

オープンした翌月の1995年1月17日に地震がおきました。長田むつみ会は全焼。ハートワーキングクラブも建物内から空が見える状態に倒壊しました。

地震で利用者の多くが被災し、長田区以外にバラバラになってしまう状態もありました。早く再建してほしいという利用者の希望もあり、各地からいただいた寄付で長田むつみ会・ハートワーキングクラブともに再建することができました。

その後、障害者自立支援法の制定により、長田むつみ会とハートワーキングクラブの事業所体系を「就労継続支援B型」に変更しました。

2014年1月には、東灘区にグループホーム「わっはの家」を立ち上げました。

グループホーム「わっはの家」は、もともと「チャレンジひがしなだ」という団体が知的障害のある方を対象に宿泊訓練等を行っていた活動を引き継ぎ、運営を行うことになりました。

 

 

法人の理念を教えてください。

 

「精神障害のある方が地域で生活をするためのお手伝いが何かできないか。」というスタート時点の思いが理念になっています。

地域で生活する精神障害のある方を支えるためには、就労支援だけではなくていろいろな形の支援が必要だと思っています。同じ精神障害といっても個々によって「生活のしづらさ」も違い、支援を必要としていることも違います。現在運営している事業は就労継続支援事業ですが、色々な形で支援ができるような事業を長田区でどのように展開していくか、が今後の課題であるとも思います。

震災前と震災後とでは長田区は変化があったとも感じています。かつて震災前は家族ぐるみの知り合いが多く、見守り体制ができて過ごしやすい地域でしたが、その体制が少しなくなってきているなとも思っています。

その中で、精神障害のある方にとって、ある一時期の支援であってもニーズに答えることができ、一翼を担えればと思っています。

昔からの利用者にとっても、利用を始めたばかりの新しい利用者にとっても利用しやすい場所。心のよりどころ、帰る場所と思ってもらえるような場所にしたいと思っています。

仕事をする高い作業能力を求めたり、工賃が高かったりする事業所ではないけれど、地域で暮らす一つの手段として、精神障害のある方が安心して利用できる場所にしていきたいと思っています。

 

 

最後に理事長からご挨拶をお願いします。

 

利用者も職員も色々な人に利用してもらって、一緒に活動していける法人、ながたひろばになればいいなと思います。利用者も職員も共に楽しく、生きがいの持てる場所、そのままの存在が認められる場所でありたいと願っています。今後も法人の活動にご理解、ご協力をお願いします。

 

 

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